アメリカ赤字1兆ドル!?トランプ政権は失敗か?
アメリカの赤字が前例を見ないほど増加!!
アメリカの財務省が発表した2018年度会計予算によると、財政収入の赤字が6年ぶりの水準まで悪化。これは、アメリカが行った大型減税による影響で、この赤字の大きさはなんと1兆ドルにも達するとの見方だ。日本円にすると、約100兆円である。連邦法人税は、35%から、21%に引き下げを行なっており、その結果、法人税収は、22%も減少することになった。
さらに国際通貨基金(IMF)によると、財務残高のGDP比では、日本に次いで悪いとい結果が出ている。
トランプ政権はどのようにして赤字補填を狙ったか。
法人税を引き下げた場合、それによる税収が減ることはすでに予測できた通りである。だからこそ気になるのは、いかにしてトランプ側がこの赤字を回収し黒字までもっていくプランを立てたのかということである。
その答えは、税収が減ることによる、企業の業績回復による税収である。たしかに、その場合、企業のコストの面が小さくなり、利益を上げやすくなっただろう。しかし結果はどうだろう。上記の数字がしめしている通り、財政が回復する手立てが見えていない。
この財政赤字がどれだけひどい数字かというと、まさにリーマンんショックがあった時以来の財政赤字である。これを聞けばアメリカがどれだけ危ない財政をしているかわかるだろう。
これだけアメリカが財政に苦しんでいても、アメリカの景気は継続的によくなってきている。その結果いままで、上昇を抑えてきたアメリカの長期金利が上昇しており、現在の3.2%から、その数字は4%台にまで昇ると見られている。
さらに、双子の赤字もアメリカを困らせる原因になっている。それは貿易赤字だ。貿易赤字も7962億ドルの赤字と8年ぶりの水準になっている。通常であれば好景気である時は、貿易赤字の分を財政収支によっておぎなうことができる。
しかし、今回の数字だけを見ると、貿易赤字を補填することができずかなり厳しい状況に立っていると言わざるおえない。トランプ政権の保護貿易が目立っているのもこのような状況が後ろにあるからなのかもしれない。
さらに金利の上昇によって、アメリカのドル指数が高値となり、アメリカ企業の輸出について悪化しやすい。仮に今度は、ドル指数の是正に成功したとしても、次はインフレの危険性が潜んでおり、なかなかうまくはいかない。
アメリカの歴史上、もう一人大型減税を打ち出した大統領がいる。レーガン氏である。しかし、このレーガン氏の時も大型減税はうまくいっておらず、結果として、プラザ合意によって、ドルを大きく切り下げることで乗り切った。
その後、日本ではバブル景気に突入するなどの大混乱に見舞われた。
今回のトランプ政権も結果ももしかしたら、世界に大きな混乱をよびかねないだろう。
まとめ
経済大国であると言われてきたアメリカ合衆国。しかしその裏には経済的な危機が待ち潜んでいる。これから中間選挙を迎えるトランプ政権が今後、どのようにこの問題を解決していくか楽しみである。