安田純平さん捕虜の経緯と解放まで・・・
(2018年10月28日更新)
安田純平さんのプロフィール
埼玉県入間市出身で一橋大学の社会学部を卒業しているというエリートジャーナリスト。１９９７年に長野県の信濃毎日新聞社に入社し、２００３年に退職し、フリージャーナリストに転身した。同年２月からイラクに滞在する中、イラク軍やイラク警察により拘束・解放を繰り返した。スマトラ島沖地震で被災したインドネシアのアチェ州やヨルダン、シリア、アフガニスタンなど世界の紛争地域を中心に取材していた。
２００９年にヒーリングシンガーのMyuと結婚している。ヒーリングシンガーとは一般に歌声だけで癒しを与える歌を歌う人である。
安田純平さん捕虜
2015年6月、シリア人ブローカーと共にトルコ南部からシリア北西部のイドリブ県に密入国後、６月２１日のツイートを最後に行方不明となった。
これまでの取材では場所は伏せつつ現場からブログやツイッターで現状を書いていたが、取材への妨害が本当に洒落にならないレベルになってきているので、今後は難しいかなと思っている。期間限定の会員制で取材経過までほぼリアルタイムで現場報告することも考えてたが、危険すぎてやっぱり無理そう。
— 安田純平 (@YASUDAjumpei) June 20, 2015
https://twitter.com/yasudajumpei
シリアで活動する反政府武装組織アル＝ヌスラ戦線により拘束されたという噂も流れたが、犯人は明確でない。
拘束中に公開された動画＆画像で振り返ってみたい。
まず、２０１６年３月に公開された動画では、安田さんとみられる男性がカメラに向かい、「こんにちは。私は安田純平です。今日は私の誕生日、３月１６日です」と語り始め、机の上のメモをみながら家族への愛のメッセージを英語で伝えている。およそ１分１２秒の動画であった。
この時点では安田さんの状況などは分からず、ヌスラ戦線からの具体的な要求なども一切にない。
https://breaking-news.jp/wp-content/themes/bnj/images/content/160317_yasuda_.mp4
次の画像は２０１６年の５月３０日に公開された写真だ。オレンジ色のT-シャツを着て、「助けてください これが最後のチャンスです 安田純平」と書かれた白い紙を持つ安田さんの姿があった。
次の動画は２０１８年７月に公開され、安田純平さんとみられる人がオレンジ色の囚人服を着せられ、助けを求める動画である。動画の中で彼は自身のことを韓国人のウマルであると日本語で名乗った。監禁中にイスラム教に改宗させられた際に選んだ名前で、韓国人と名乗ったのは監禁場所を外部に漏らさないよう実名や国籍を言うことが禁止されていたからだという。例えば、自分の実名を他の囚人が聞いて、それを日本側に通達すると居場所がばれてしまうということを防ぎたかったのである。
解放に至る
７月に先ほどの動画が公開された後、１０月２３日に、菅官房長官が緊急の記者会見を開き、安田らしき人物の身柄が解放され、トルコ政府に保護されたという情報がカタール政府から入手したことを突如明らかにした。翌日河野外務大臣が現地の大使館職員が安田本人と確認したと発表し、２５日の朝トルコ・イスタンブールを発ち、同日夜成田空港に到着して、遂に３年４か月振りに無事帰国を果たした。この一連の解放についてはヌスラ戦線が身代金として１０００万ドルを要求していたとジャパンタイムズが報じたが、日本政府は身代金の支払いについて否定している。また、シリアの反体制派武装組織に拘束された被害者の救出を支援しているカタールによる支払いも疑われたが、真意の程は分かっていない。
日本帰国！
安田純平さんは２５日午後６時半に成田空港に到着した報道陣の前に姿を見せたが、呼びかけには応じず、ワゴン車に乗り込んだ。妻のMyuさんは空港の待合室で午後７時３０から報道各社の取材に応じた。空港の廊下でお互いの姿が見えた瞬間かけあって抱き合い、「お帰りなさい。」「ただいま」と声を掛け合ったという。
